ECサイト運営をしていたり、委託を受けたりしていると出てくる業界用語で、「ささげ」という言葉があります。
これは、「撮影」「採寸」「原稿」という3つの商品出品に必要な準備作業の頭文字をとって「ささげ」という言い方をします。
このささげについて、説明します。
目次
撮影
撮影とはそのままズバリ、商品撮影のことをいいます。モデルを使った「モデル撮影」もあれば、商品をレイアウトやディスプレイして撮影する「ブツ撮り」も撮影です。
最近では、通常の写真だけではなく使用シーンが求められるケースも多く、商品が使われているシーンがイメージできる写真や動画を掲載する動きも活発になってきました。
撮影のポイント
商品全体が見える引き画像、商品の細部がわかるクローズアップ画像、利用シーンがわかるイメージ画像など、様々なパターンの画像が必要となります。
さらに、最近ではモールごとにレギュレーションが変更される事態もあり、「Amazonは白背景に商品」「楽天は文字入れした場合は全体の20%に収める」など、モールごとに必要とされる画像が変わってしまったりします。
ただ、Amazonも楽天も、根本は同じだと思います。
どういった写真がお客さまに必要とされているのか考えて撮影する必要があります。
撮影で一番難しいのは、色合わせだと思います。
PCのディスプレイ、スマートフォンなど撮影した写真と、それを映し出す機器によって色合いが全く別のものになります。
お客さまのイメージした(画面で見た)色と、実際の商品の画像が違うといったクレームを受けることも、多々あります。
インスタグラムなどの投稿画像も、簡単にスマートフォンで加工できてしまうので、極力商品画像の加工はしないで掲載することが、結果的にお客さまのイメージと違いが少なくなるのでいいと思います。
色味を合わせるために
色味を合わせる方法は様々ですが、グレーカード(18%グレー)を利用してホワイトバランスを、撮影前に必ず合わせるなどの配慮をすることで、より実物の色合いに合わせることもできます。
デジタルカメラのメーカーによって、発色に癖があるので一概にはいえませんが、せめてホワイトバランスぐらいは合わせた環境・合わせたカメラで撮影することをお勧めします。
撮影については色々書きたいこともありますが、マニアックになってしまうのでこのページのPVが高かったら、次回また書きたいと思います。
採寸
採寸は言葉を聞いただけで理解できると思います。
縦、横、奥行き、重さなど様々な情報があればあるだけお客さま目線での作業ができると思います。
特に技術は必要ありません。測れるものは全て計ってECサイトに掲載しましょう。
原稿
原稿については、2極化しています。
ひとつは読み物のように長い商品説明を入れる手法です。単一商品などに特化した商材を扱っているECサイトは、この傾向が強いですね。
ただ闇雲に長いページを作るのではなく、商品開発までのストーリーや、販売者の思いなどを盛り込んだ盛大な作品になっているものが、ECモールなどでも売上上位を占めています。
もうひとつは、非常にあっさりした原稿になっているものです。
ヨドバシカメラやAmazonがこれにあたります。
型番商品などを扱っているECショップの場合、個々の商品ではなく物量で集客するため、1つの商品ページの離脱率が高くても、お客さまとの接点がそれなりにあるので成り立ちます。
ただ、この場合ルーティンワーク的に商品を増やしていき、自分のECに3万点とか、5万点といった商品量を実現する必要があります。
正直、商品掲載の原稿については1点あたりの単価と商品数によって、ストーリー型にするのか、あっさり型にするのか決める必要があります。
ECサイトを運営していて、どの商品が売れるかははっきりわかりません。はじめに物量を稼ぎ、売れている商品から原稿をストーリー型に変更していくのもいいと思います。

現在はシニアECディレクターとして大型EC案件を担当
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